矯正 足立区明日へのステップ
そういう安定消化先としての家計に国債をより多く買ってもらうことは、国債管理政策上の重要な柱になるはずだ。
の両者は、いわば「水と油」の関係にある。
株式はハイリスク・ハイリターンの運用商品で、元本保証はない(企業が倒産すれば紙くずになる)。
国債は安全運用の代表的な商品で、国が元本を保証している。
そして、金融市場では、株式と国債の値動きは逆相関になるのが通常である。
また、間接金融中心という日本の現状も、実は長期金利の低位安定に少なからず寄与している。
それは、銀行(あるいは保険・年金準備金)が家計から潤沢にマネーを受け取り、それを企業向けなどの各種貸し出しに回すほか、国債の購入にも振り向けているからだ。
その流れが財政再建を側面支援している点は見逃せない。
外国人投資家の日本国債保有額は、2008年3月末に初めて別兆円を突破したむしろ低下したリスク資産への投資しかしそれでも、国債残高全体に占める割合は7%強にすぎない。
国債の消化先の9割以上が国内のマネーであり、そのため大規模な「資本の海外逃避(キャピタルフライト)」が起こりにくいという状況は、財政事情悪化を懸念した「悪い長期金利上昇」が起こるのを未然に防ぐ重要なファクターである。
そうした国内の潤沢なマネーによる国債安定消化が続くことで生まれた時間的な余裕を生かして、歳出面を中心とする財政のムダを省く作業を、いまのうちに加速させておく必要がある。
「貯蓄から投資へ」についての疑問はまだ尽きない。
家計が、いわば安心してリスクの高い金融資産に投資できる環境や前提条件も、整っているとは到底言い難い。
年金問題に代表される将来への不安は、家計の運用姿勢が安全性重視のまま変わらないことに、間違いなくつながっている。
内閣府がほぼ毎年実施している「国民生活に関する世論調査」の最新2008年6月調査結果によると、「日常生活で悩みや不安を感じている」人は、・8%で、4年連続で上昇し、調査開始以来の最高水準を更新した。
悩みや不安の内容(複数回答)で最も多かったのは、おそらく読者の皆さんが想像された通り「老後の生活設計」(駒・7%)である。
それに「自分の健康」(48・0%)、「今後の収入や資産の見通し」(48・4%)が続いている。
金融広報中央委員会が毎年実施している「貯蓄から投資へ」のスローガンは「笛吹けど踊らず」であることがわかる。
こうして貯蓄保有者の意識を見ていくと、「貯蓄から投資へ」という流れは、現実にはなかなか起こりにくいと考えられる。
「笛吹けど踊らず」のイメージに近い。
金融市場関係者の中には、「貯蓄から投資へ」の流れについて、ざも当然起こるものであるかのように、妙に楽観的に今後の展開を語る人がいる。
しかし、現実はかなりの程度、そうした人々が描いているイメージとは異なるものになると思う。
「金融関連の知識(いわゆる金融リテラシー)の拡充が「投資」を促すカギになる」という意見も多いが、これは問題の本質ではない。
老後に備えた「最後の砦」を元本割れリスクにさらしたくない人々の場合、そうした金融知識をいくらレクチャーされたところで、運用姿勢に大きな変化は生じないのではないだろうか。
よく、「株式の配当を増やし、配当利回りを預金金利や国債の利率よりも高くすれば、個人のお金は株式投資に向かうはずだ」という主張を耳にする。
証券投資に関する税制改正の議論でも、そうした考え方が根底になっている場合がある。
しかし、筆者はそういう見方には賛成できない。
株式には元本の保証がないからであここで、最近の実際のマネーの動きを見てみよう。
2007年夏、サブプライム危機が発生すると、株安・円高が急速に進んだ。
それを受けて、投資信託のようなリスク性が相対的に高い金融資産への投資を手控える傾向が強まっており、むしろ準通貨(ほとんどが仮に1万円の株を買い、年の配当が200円、すなわち配当利回りが2%であるとしよう。
確かにこの2%という数字は、0%台が一般的な預金金利や、1%台となっている旧年物国債の表面利率よりも高い。
だが、預金は満期になれば元本がそのまま戻ってくる。
国債は、額面金額での償還を国が保証している。
元本の保証がなく、価格が半分になっても、あるいは企業が倒産して紙くずになっても文句が言えないのが株式である。
大きな値上がり益を狙えると同時に、大きな値下がりリスクも存在する。
つまり相対的にハイリスク・ハイリターンの金融商品であるという株式の特性は、配当が増やされても、基本的に変わりがない。
増配や配当税制の手直しくらいでは、老後に備えた「虎の子」のマネーを大量に株式投資に向かわせる起爆剤としては、まったく力不足であろう。
「投資から貯蓄へ」とマネーが逆流。
固定利付の安全資産が伸びている。
つまり、「貯蓄から投資へ」ではなく、「投資から貯蓄へ」という一種の逆流現象が起きているのである。
なお、準通貨にお金が戻り始めたそもそものきっかけは、前ページの図35のグラフからもわかるように、日銀が2006年3月に量的緩和を解除し、同年7月にゼロ金利を解除した結果、金利がそれなりに付くようになったことである。
2008年m月分のマネーストック(旧マネーサプライ)を見ると、準通貨は前年同月比十2.1%まで伸び率を拡大している。
一般法人・個人別の保有残高内訳は1ヵ月遅れで発表されるのだが、9月分では、個人保有分が前年同月比十1.6%と、連続のプラスになっている。
一方、2008年3月の投資信託の残高は、前年同月比十3〜4%。
〃年7月に記録した同十35・3%をピークに、伸び率は急速に鈍化している(前ページの図84)。
投資信託協会が毎月発表している「投信概況」によると、20年〜3月の契約型公募投資信託への新規資金流入額(購入額から解約・償還額を差し引いた数字)は1兆0909億円で、前年同期から急減した。
今後、中国の景気がこのまま大幅に悪化し続けることはないと筆者は見ているが、株価がバブル的に再高騰する可能性もまた小さいだろう。
ブラジル、ロシア、インド、中国。
これら新興経済4ヵ国については「BRICS」という呼び方がすっかり定着し、日本の個人投資家の間でも、BRICS各国の株式で運用している。
2007年まで投信ブームを牽引してきた中国など新興国株のファンドも、日本株の投信と同様に、値下がりが目立っている。
中国株は、グリーンスパン前FRB議長の予測が的中して、バブルが崩壊。
上海総合指数はピークの3分の1以下になった。
20年8月の北京オリンピック開幕日前後に大きく下げていたのが印象的である。
過去、五輪開催国の景気は、「宴」が終了した後に悪化したケースが多かったため、中国もそうなるのではないかと警戒されている面がある。
18年8月前後の中国の景気指標が悪化した背景には、五輪開催を最優先して、大気汚染対策として工場の操業を止めたほか、北京に電力を潤沢に供給するため他地域で送電制限を行ったことなども影響している。
また、中国政府は、減税を含めた追加の景気刺激策を検討していると伝えられる。
人民銀行は利下げを繰り返して金融商品取引法は、投信など元本割れリスクのある商品の販売につき、十二分な説明を行う義務を課した。
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